分野別理系女子カフェ~生物女子集まれ (11/20)が開催されました!

 

11月20日 講談社本社にて、初の分野別理系女子カフェ「生物女子集まれ~」が開催されました。

学生さん、高校の生物の先生、IT関係の方、研究者の方など10名にお集まり頂きました。

 

自己紹介をしていただいた後、生物学を目指す女子中高生のために伝えたいこととして、

「学科・学部の選び方」

「進路を選ぶ時に考えてもらいたいこと」

「高校時代に身につけてほしい力」

「高校時代に身につけてほしい視点」

の4つのお題について、ディスカッションしました。

 

どの項目も共通して、全体として、中高生は経験が少なく、世界が狭いので、狭い範囲でものごとを考えて、進路などを考えがちであるが、とにかく広い視野を持ってもらいたい、そのための一歩を踏み出す勇気をもってもらいたいということが、ベースとなっていました。

身につけてもらいたい視点として、学問的な生物らしい視点として「原因と結果が1対1でない」ということを知ってもらいたい、その複雑さが生物が故であるし、また、その複雑さを絶妙なバランスで維持しながら生きていることをわかってもらいたいという意見がでました。遺伝子についても、一つがかけると病気になったり、でもそれを修復する力も生物自身が持っていたりと、確かに複雑で神秘的です。

 

また、すぐに答えやその原因を見つけるというのは、受験勉強の勉強ではアリかもしれませんが、それがないのが大学での勉強であり、研究であり、また、社会へ出た時の仕事なんですよね。教科書などをみると、すっきり整理されて書かれており、さも世の中は理論整然と動いているように勘違いしてしまいがちだし、世の中の知識のすべてが書かれていると思ってしまうのだが、教科書に書かれていることはホンの一部だし、世の中にはまだまだ分からないこと、複雑なことがたくさんあることを知ってもらいたいという意見もありました。

 

また、社会的にも、とにかく大学進学がすべてでない、就職だけがすべてないことを知ってもらいたいという意見は多くみられました。なぜ、働くか、何のために、どうやって働くかという視点を大事してもらいたいということなのですが、昨今の就職難で、また、キャリア教育が活発なせいか、具体的に将来のことを考える中高生が多いように思いますが、返って現実過ぎてというのは、みなさん感じているようです。もっと、大学に入れば世界が広がり、夢も変わる、進路も変わる可能性があることも知っておいてもらいたいとのことです。

 

一方、英語が苦手だから理系、数学や物理や化学が苦手だから生物といって選択する人が多いが、実は、生物学を専攻する上で、化学も数学も物理も必要であり、また、英語も研究する上で絶対必要だとみなさん口を揃えておっしゃっていました。学問というのは突き詰めれば、生物も、化学や物理や数学などとつながっており、高校の選択科目のようにスパッと区切れないことも重要なポイントです。また、敢えて言えば、国語力も必要だろうということです。論理力や、物事をうまく完結に人に伝える力、これも大事です。

 

さらに、生物の楽しさは、身近であることではないかと言う意見もあり、日常生活の中には「科学」がたくさんあり、それを科学的に知ることが楽しいことであるので、それを感じられる環境づくりに、親も教師もすべきであろうということです。また、自分自身でそういう世界に飛びこんでもらいたいという意見もありました。

 

また、「勇気」をキーワードとして、色んな意見がでました。言われなくても自分で何かをする勇気、質問をする勇気、新しいことを知るためにイベントに参加するなど一歩を踏み出す勇気など、こうした勇気を持って自分自身の世界を広げてもらいたいそうです。

 

とにかく受身でなく、様々なことに疑問を持ち、原理や真理を追究する心が、理系として必要なのかもしれません。また、社会人の人からは、興味を広げ、引き出しをいっぱい持つ努力をすることも、後々社会人になってから重要だから、本をたくさん読むことも大事だというご意見も頂きました。

 

ここでご紹介した意見は一部です。もっとたくさんの「名言」が出てきております。

 

皆さんご自身、中高生のころに、自ら、または親御さんからの援助で、一歩踏み出してみたら方向が転換して、今があるという体験をされている方が多かったためか、特に、この一歩踏み出すという部分を中高生に伝えたいというお気持ちが強いようです。人生の選択は自らしなくてはなりませんが、そのためのたくさんの選択肢を知るためにも、一歩踏み出して、色んな世界を知る勇気が、実は最も求められることなのかもしれません。

今回は、生物女子だったのですが、生物女子らしい話がやや少なかったこともあり、また、折角のここで頂いた意見を中高生にフィードバックするためにも、継続的に集まってもよいとしてくださる方が多かったため、第二回のミーティングを開催することとなりました。

 

今回の頂いた意見を踏まえ、何か形あるものとして、中高生にプレゼントできるようディスカッションと続けたいと思います。また、意識の高い方ばかりでしたので、この活動を、生物女子部としてしていけたらいいなと思っています。

また、活動の様子などはレポートしたいと思います。

 

今回、お集まりいただいた皆様、ありがとうございました!

 

 

※こんな感じで、意見をどんどん付箋に張りながら、まとめたりして、ディスカッションしました。

 この方法がおもしろかったという方も!

 人の意見を聴くと(見ると)、ピンとくることもありますよね。