2011年1月26日 東京・講談社

1月26日、講談社にて、理系女子Cafe「理系女子の本100冊」が開催されました。

 

今回の参加者は、学校で司書さんをされている方、海外で研究中の方、大学院生、大学生など、様々な分野から集まっていただきました。ブルーバックス編集をしている渡辺さんにも参加していただき、事務局のリケジョ2人も参加して、まずは、お薦めの本の紹介を含めた自己紹介。

■小学生時代は本が好きではなかったけれど、友人に薦められた本を読むうちに読書に目覚めたという、スウェーデンからの帰国中に参加くださったYさんお薦めの本は「理系バカと文系バカ」。

Yさんの読書法は、3色の付箋をつけながら読み、後でノートにまとめていくというもの。どんな本を読んでいるかだけでなく、どうやって本を読んでいるかという情報交換も面白いです。

 

■小学校の図書館司書をされているFさんは、情報の見分け方を学ぶためにも、情緒的な本ばかりでなく理科的な本も読んで欲しいと思っておられます。限られた予算の中でどれを選ぶか?が課題です。

お勧めに持ってきてくださったのは「ナイチンゲールは統計学者だった」。読みやすく統計学にかかわる人を紹介しています。この統計って恣意的?という視点を持っていることは、文系理系にかかわらず大切です。

 

■中高一貫の女子校で図書館司書をされているKさんは、自分自身が文系であることから、どんな本との出会いから理系へ興味をもつきっかけになるのか、ぜひ参考にしたいと参加してくださいました。

 

■次年度から博士課程へ進学予定のMさんお勧めの本は「日本の薬はどこかおかしい」。試験の勉強も大切だが、今の社会がどうなっているのか知ることも重要だ。ずっと研究室にいると、井の中の蛙になってしまうかもしれず、社会の流れをつかんで社会に貢献できるようになりたいという思いを持ったそうです。

 

■スポーツ科学の研究をされているAさんは、昔から理科が好きで、みんなが好きになってくれたらいいなという思いでリケジョに参加くださっているそうです。そんなAさんの一冊は「時間の分子生物学」。先生から薦められたのがきっかけだそうです。

 

■ブルーバックスの編集部の渡辺さんお勧めは、まずサイエンスライター都築卓司さんの著書。「四次元の世界」など多数出版されている。

そして、講談社の科学賞を受賞した「タンパク質の一生」永田和宏著。描かれている例えがとてもわかりやすい本です。

「論文捏造」はNHKスペシャルで放送された内容を本にまとめてあります。ベル研究所の有名化学者の出した論文が捏造だったとニュースに対する世界的な研究者たちの反応を見ると、研究者の思考がわかり興味深く読める本です。

「アメリカ版 生物の教科書」は、文系の方々からも反応が多くあった本。系統立ててあるので、わかりやすい本です。

「院生・ポスドクのための研究人生サバイバルガイド」もお薦めの本です。

 


さらに、理系女子の100冊をどうやって後輩たちに紹介していけばいいか、どういう分類をしていけるかについて話をしました。

例えば文理選択に迷ったとき、学部の特徴とか体験談を読めるような本。そこで話題になったのは、「文理選択は、好きだという気持ちで進んで欲しい」ということでした。できが悪くても、好きだという気持ちで動いていい。学校の成績のよしあしだけで決めるのはもったいない!という反応が会場でもtwitterでも多くありました。中には数学だけできたから理系に進みましたよ、というつぶやきもありました。そんな中、たまたま手に取った本が難しすぎて、興味を失ってしまうのはもったないないというということで、一つのテーマでも・入門・中級・さらに詳しくという分類をするのがよいのではないかという話がでました。

 

同級生から「これよかったよ!」と薦められた本は、手にとってよみやすい。だからこそ、これを高校生のときに読めばよかった!という話を、先輩が中高生の目の前で語るような機会があったらいい。図書館でのイベントなどでそんなイベントをしていけたらいいなという話題もでてきました。

実際、理系と文系を考えていたときに、学校に話をしにきてくれた理系の先輩たちがきらきらしていたこと、大変だけど頑張っている姿をみて、理系に決めたというリケジョの方もいらっしゃいました。

 

 

たくさんの本の話題、理系女子ならではの話も満載で、さらに図書館司書をされているお二方も参加くださり、とても有意義なリケジョCafeとなりました。

 

終了後は、講談社の図書館見学を楽しんでいただきました。

お薦めの本なども用意して参加くださった皆さん、本当にありがとうございました!