7月18日 理系女子カフェ@講談社

7月18日(月・祝)に、講談社本社にて理系女子カフェが開催されました。

 

今回のテーマは、「子どもたちの科学力を育む環境づくりを考える ~ リケジョだからできる! 科学のおもしろさを伝える」でした。

特に、サイエンスコミュニケーションと科学絵本の読み聞かせについてみんなで勉強しました。また、初試みとして、託児も行い、普段、起こしいただけない理系ママさんいもご参加いただけるようにしました。

 

はじめに、サイエンスコミュニケーターの大塩さんと、科学絵本読み聞かせ会「ほんとほんと」の代表の吉田のりまきさんに、ご講演をいただきました。

 

大塩さんは、現在、自然科学研究機構 生理学研究所に所属されており、文部科学省「脳科学研究戦略推進プログラム」事務局特任助教として、サイエンスコミュニケート活動されています。また、アーティストのお姉さまといっしょに、アートとサイエンスを社会に発信する会社soranomado project Inc.(http://www.soranomadoproject.com/  )を設立され、その代表もされています。

 

講演では、サイエンスコミュニケーションについて、ご自身が携わるようになったきっかけや、思い、また、そもそもサイエンスコミュニケーションとは何かといったことについてお話いただきました。意外にも、参加された方の多くが「サイエンスコミュニケーション」についてご存知なく、大塩さん自身も、我が国においてあまり認知されていない現状を危惧されています。文部科学省のホームページや、サイエンスアゴラなど、我が国においても、面白いサイエンスコミュニケーションの試みはあるものの、認知度が低く、折角のリソースが活用されていない現状です。広報不足も感じてらっしゃるようで、すます、ご自身ががんばらなくてはならないと思ってらっしゃるとお話しいただきました。ただ、サイエンスコミュニケーションの中で、「おもしろく」ということをポイントとおきながらも、科学的事実に基づくということが大前提であり、それをおもしろくするために湾曲するとかことがあってはいけないというお話もありました。

また、ご自身が科学に興味をもった経緯も含め、「サイエンス」と「アート」の観点からのお話もありました。そもそも、興味の始まりは一緒で、それを表現する手段が異なるだけであるとお考えです。例えば、昆虫に興味があり、それを観察していくなかで、その表現に興味を持てばアートであり、その生態などに興味があればサイエンスに枝分かれしていくということです。ご自身も、アートとサイエンスを融合させる子供向けプログラムにも取り組んでいらっしゃいます。 

最後にリケジョとの関連ということで、女性はマルチタスク能力が高いため、サイエンスコミュニケーターに向いているのではというお話で締めくくられました。

 

 

次に、お話いただいた吉田のりまきさんは、ご自身も薬学部ご出身のリケジョでいらっしゃいます。現在、ヘルスプロモーションのお仕事をされつつ、科学絵本読み聞かせ会「ほんとほんと」の活動をされています。ほんとほんとでは、図書館・小学校・幼稚園などで、実験と読み聞かせを取り入れた活動をされており、東久留米市立東部図書館で7年間続けている「よもう!あそぼう!かがくの本」通称:よもあそ)の活動については、平成21年度子どもの読書活動優秀実践団体として、文部科学大臣表彰を受賞されています(http://honto-honto.blogspot.com/

 

まずは、今日の日が「リケジョ」と「ブケジョ(文系女子)」の出会う記念すべき日であるというお話になりました。ほんとほんとは「科学絵本と実験」のグループですが、リケジョ、ブケジョの両方のメンバーがいらっしゃいます。今回の会にも、10名のメンバーが来てくださいました。また、ご自身がリケジョであることも踏まえ、理系とは何かということについてもお話いただきました。それは、理系であることを軸足に、理系だけで固まるのではなく、周りと関わっていくという姿勢が必要ではないかということです。ほんとほんとの活動はまさにそれを体現したものであるといえます。また、こうした姿勢をとることで、自分の世界も広がっていくといえます。

ひきつづきワークショップも吉田のりまきさんを中心に行なわれました。

 

対象となった本は「みずたまレンズ」という絵本です。この絵本から、「みずたま」をキーワードにどんどん世界が広がることを教えていただきました。例えば、レンズを通してものを見るとどうなるのか? お水をいれたペットボトルを通じて何がみえる? そもそも「みずたま」ってどこにできるの? 材質によって水がしみこんだり、みずたまができたりするのはなぜ?などなど、、、。

バラの花に霧吹きで霧をかけるという実演もしていただきました。すると、バラの花びらの表面に細かなきれいなみずのたまが。これは、はすの葉っぱとは違う構造で、撥水するものだそうです。この事実は、お花やさんから教えてもらったそうですが、科学的なこともきっかけは、生活の中にあり、例えば、このバラの場合、花びらのみずたまをを突き詰めると表面の話になり、撥水ということになり、撥水には物理的撥水も化学的撥水もあり、、、とどんどん、広がります。みずのたまレンズの本が広がった執着駅として、「超撥水と超親水」という本を教えていただきました。この展開、、リケジョの興味としておもしろすぎないですか?

そうした、お話を聞いたあと、いよいよグループワークです。このみずたま絵本をモチーフに、自分たちならどのように実験と組み合わせて子どもたちにみせるかということを話し合います。短い時間でしたが、ほんとほんとの皆さんのファシリテーターの基、撥水の実験なども体感しながら、各グループともしっかりとまとめてきました! さすがリケジョ(ほんとほんとの副代表さんもそのようにおっしゃってました)

 

 

最後に、先輩リケジョの皆さんへ、リケジョとしてなかなか科学などについて議論をする場というのはあまりないので、今回の理系女子カフェのような場が貴重であるとのお言葉を頂戴しました。

 

最後は、恒例?のリケジョの交流会です。この交流会を楽しみにされている方も多かったです。各グループごとに、リケジョの仕事と子育てなどについて話し合われました。企業としても人材育成のコストを考えた時に、産休後復職することがウエルカムな状況になってきているということ、職場の中でもかなりの理解が進んでいることなどをお子さんがいる方からお話いただきました。すべての職場がまだこうとはいえないとは思いますが、一部の企業では、子育てと仕事の両立が当たり前の時代になってきているということを痛感しました。ただ、リケジョ側にも、会社のこうした制度に甘んじることなく、休職中にも勉強をしてキャッチアップしていくなどの努力が必要との意見もありました。

交流会については、今回は、時間があまりなく残念とのお声も多かったですが、続きは是非、次回の理系女子カフェで!

 

 

ゲストのみなさん、ご参加いただいたみなさん、どうもありがとうございました。